固体潤滑の打ち合わせ~提案手順、固体潤滑とは、ドライコートの選択方法

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表面処理加工及び多様な情報のサービス・トータル表面処理アドバイザー:固体潤滑コーティングはエムアイテクニカにお任せ下さい

一般工業用表面処理:打合せ、提案手順

製品の性質やご希望の加工処理を伺った上で最善のご提案をさせていただいております。

まずはお問い合わせください。

固体潤滑の世界

固体潤滑には数え切れない世界が存在します。そのような世界を少しでもご理解頂く為に一番身近な固体潤滑の世界をご紹介致します。

固体潤滑とは

固体でありながら潤滑作用のある物質の事で、これを塗料化したものがドライコートと言われるコーティング剤です。

もともと、アメリカの宇宙開発から始まり、宇宙空間で流体の潤滑剤(グリスなど)が使用できないため、例えばロボットアーム関節部分や、作動する金属の摺動面などに用いるために開発されました。

固体潤滑剤

固体潤滑剤は潤滑油やグリスと違って名前の通り使用するときは固体状態の潤滑剤です。多くの種類がありますが代表的なものだけを下表にします。

表1:

無機化合物MOS2・WS2・グラファイト・BN
金 属鉛・金・銀・亜鉛
有機高分子PTFE・ナイロン・ポリイミド

表1の中から弊社でもっとも多く使用されているMoS2・PTFEを紹介して行きます。

ドライコート(mit-coat)

塗料タイプの固体潤滑剤(MoS2・PTFE入り塗料)は、大きく分けて3種類から構成されています。

バインダー(エポキシ樹脂、ポリアミドイミド樹脂系)
固体潤滑剤(MoS2・PTFEパウダー)
溶媒(トルエン、酢酸ブチル、N-メチルピロリドン等)

非常にシンプルな構成ですが、MoS2・PTFEだけでも各社合わせ200種以上のドライコートがありますがそのドライコートはほとんどが同じ材料を使用しています。しかし、その性能には明らかに差があり使用用途別に分類されています。 その理由として、

  • バインダー樹脂に固体潤滑剤を分散させる方法の違い。
  • 固体潤滑剤の表面処理や分散剤の違い。
  • MoS2の粒径、PTFEの分子量の違い。
  • パウダーとバインダーとの比率の違い。
  • 溶媒の種類と量の違い。

カタログ上では分からない製造上の違いによりその性能に大きな差が生じる事もあります。

実際の使用に当たっては多方面からの検討を行い適当なドライコートを選択しなければなりません。

ドライコートの選択方法

では、ここに固体潤滑剤を必要とする部品があります。

この部品に合ったドライコート(mit-coat)選択のプロセスを簡単にご説明します。

部品の使用情報を明確にする

材質(相手材) 材質によっては密着性に大きな差が生じ前処理を考慮しなければならない。焼成温度によりドライコート(mit-coat)の選択幅が変わる。(常温~280℃)テフロン処理の場合380℃~400℃。
形状、面粗さ、加工精度 特に高精度の仕上がりを要求する場合に(相手材)重要、摺動面のRや面取りが適切であるか等。
表面処理の有無、種類 メッキ、アルマイト、熱処理等の使用により密着性、焼き温度を考慮する。
圧力(P)速度(V) P/V値により固体潤滑を選択する。
雰囲気(温度等) バインダー樹脂の選択。
クリアランス固体潤滑材の選択。

テフロン処理の場合は多少異なります。

上記情報によりドライコート(mit-coat)を選択します。

加工方法

前処理

物理処理 (サンドブラスト、等)

化学処理 (燐酸塩皮膜、クロメート皮膜、酸化皮膜)

表面処理 (メッキ、アルマイト、熱処理等)

塗装

エアースプレー

印刷

ディッピング

焼成大きさ、形状、数量により焼成方法を選択する。

材質とドライコート(mit-coat)の種類により温度を決める。

上記の選択基準によりドライコート(mit-coat)を2~3種類に絞り最終的には実機テストを行い決定する。

以上簡単ではありますが、エムアイテクニカの業務である固体潤滑の世界を少しでもご理解頂ければうれしく思います。